けい子レディースクリニック表参道


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こころとからだのコラム
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「月経前症候群(PMS)と月経前不快気分障害(PMDD)」-その2

『PMDDの症状はほとんどが精神症状で、絶望感や自己卑下、持続的な怒り、制御不能…など、かなり過激な症状が含まれています。

PMSやPMDDがどのくらいの割合で見られるかについては、実にいろいろな数値が報告されているので、正直なところ正確な数値はわかっていないのではと思います。 たとえばあるアメリカの研究者は「女性の1割から9割が、初潮から閉経までの間のある時期にPMSを経験する」と言っており、このあまりにも幅がある割合に驚きました。また、私が見た報告の中で最高の割合だったのが95%ですが、こうなるとPMSじゃない人はいない、ということになりますね。いろいろな報告の数値を平均化してみると、50〜70%あたりが妥当な線かなと思います。

この割合は、PMSの症状として挙げられたもの、たとえば「月経前にお乳が過敏になる」とか「むくむ」などといくつか思い当る人の割合であって、その中で治療が必要な人−つまり日常生活に支障をきたしている人の割合は5%くらいだろうといわれています。

そしてPMSの中の2〜8%ぐらいがPMDDではないか、というのが専門家の間の見方です。

理屈のうえではPMSやPMDDは月経がある間のすべての女性に起こりうるもので、必ずしも30代だけの病気ではありません。私のクリニックでは20代後半から30代の患者さんが大多数を占めていますから10代、あるいは更年期に近い世代のPMSの患者さんにはほとんど出会っていません。しかし、以前勤務していた病院では、月経前になると毎月入院して点滴をうけていた中学生のPMSの患者さんがいました。また、ご自分でPMSだと思って受診されている30代の患者さんたちも振り返ってみると発症はたぶん10代という方がいらっしゃいます。

発症のきっかけは特定できるものはないように思います。婦人科の病気でストレスと無関係なものはありませんから、その意味ではまったく関連がないとはいえませんが、ダイエットにしても妊娠や出産にしても、それらがPMSの引き金になるとはいえないと思います。

■月経前不快気分障害(PMDD)のチェックテスト
−思い当ることがありますか?
過去一年間の月経周期のことを思い出してください。月経の前10日ぐらい(排卵日の2〜3日後)から月経開始1〜2日ぐらいまでの間に以下のような症状はありませんか?ただしその症状は月経が始まって遅くとも3日目くらいで消え始め、月経後一週間は現われないものに限ります。

□1)激しいうつ状態、激しい絶望感、ひどく自己卑下する気持ちのいずれかを覚える
□2)不安、あるいは緊張度が高い、あるいは「緊張が高まっている」とか「苛立っている」という感情を覚える
□3)著しく情緒不安定になる−たとえば突然悲しくなる、涙が出る、号泣する、他人から拒絶されるとひどく傷つくなど
□4)激しい怒りが長々続く、ちょっとしたことですぐ怒る、人間関係のトラブルがよく起こる
□5)日常の活動に対して興味がなくなる−たとえば、家事、仕事、友人、趣味など
□6)物事に集中することが困難になる
□7)激しく倦怠感を覚えたり、すぐ疲れたりする、あるいは、著しく気力が減退する
□8)食欲が大きく変化する−過食になる、特定の食べ物が欲しくてたまらなくなる
□9)過眠あるいは不眠に陥る
□10)いろいろなことに圧倒されるという感じを覚えたり、自分を制御することが難しいと感じたりする
□11)乳房の圧痛や張る感じ、頭痛、関節痛、筋肉痛、膨満感、体重増加などがある。

以上の症状が5つ以上あり、特に1)〜4)までの項目の症状が少なくとも1つ以上あれば、月経前不快気分障害の疑いがあります。
(アメリカ精神医学会「PMDDの定義」DMS-Wより改変)

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